ワタシノシゴト


プレゼン後に詳細な話を聞きたいとの依頼があり、いそいそと出かけた。
相手はコミュニケーション部の課長さんと担当者である女性の方の2人。当方は4人。こちらの人数が多いと、数で勝負しているようでカッコ悪い。
こっちのツッコミにちらほらと本音で答えてもくれ、けっこう盛り上がる。途中で課長さんが「コーヒーにしますか、紅茶、それとも日本茶?」と聞いてくださる。どうやら一次関門は通過したみたいだ。各自勝手にリクエストして、課長さんが担当の方に「 お願いね 」と言った、その時のことである。



「 それは私の仕事ではありません 」
場が一瞬で、凍った。


ソレハ、ワタシノ、シゴトデハ、アリマセン。
なんと冷たく響くのだろう。一切の関係を絶ち切る強烈な言葉である。


課長さんは、怒るでもなく、叱るでもなく、腰を上げて自分でトレイに6人分の飲み物を載せて戻ってきた。
その後話の進展するはずもなく、当の彼女はご注文の紅茶を何事もなく飲んでいた。


今思うと、あれは仕事を断る高等戦術だったのかもしれない。