晴れた日   百貨店にて

「 お客様、こちらへどうぞ 」
日本橋の老舗百貨店の食品売り場でレジ待ちをしていると、「 案内係 」と腕章をつけたお姉さんに突然声を掛けられた。次は私の番という時だったので「 ここでいいです 」と断るも、しつこく言ってくる。彼女が誘導しようとしているレジには確かに誰も並んでいない。それもそのはずだ。レジ係がいないのだから。
「 直ぐに係の者が来ますから 」 と、少しお年のお姉さんはおっしゃるものの、その手には何度か痛い目にあっているので、丁寧にお断りする。
と、なんとお姉さんは私の持っている品物をひったくるように奪い取り、強引にそのレジ台のところへ持って行った。 「 なにするんですか 」 との抗議も空しく、「 ここでお待ちください。係の者が参ります。 」と強い口調で言い残してお姉さんは満足そうに去って行った。ヤレヤレである。


ところがというかやはりというか、来ないのである、「 係の者 」は。先ほどのレジでは私の後ろに並んでいた人たちが次々と清算を終えている。
待つこと4分39秒、仕方なしに横のレジを打っているお姉さんに 「 やってもらえますか 」とお願いした。
答えは……、「 お客様、順番ですので列にお並びください。」であった。



さて、ここで問題です。老舗百貨店の対応として正しい行動を以下のなかから選びなさい。

  1. お客さんが 「 いい 」と言っているのだから、そのままにしておく。
  2. 案内係のお姉さんがレジに入って清算をする。
  3. 先に 「 係の者 」をレジに入れてからお客さんを誘導する。