あれこれと 《 その4 》


環境やCSRへの関心の高さと株式市場の好調さとがあいまって、SRIファンドが脚光を浴びている。

「 環境ファンド、1年で倍増・個人マネー流入
環境問題をテーマにした投資信託に個人マネーの流入が加速している。環境保全に取り組む世界の企業の株式などで運用するファンドの純資産残高は6月末時点で7200億円と1年前に比べ2倍になった。地球温暖化や資源の枯渇といった環境問題が世界的に関心を集めるなか、関連企業への期待が背景にある。ただ、投資先は外国株が多く、リスクもある。
投信調査会社、大和ファンド・コンサルティングが追加型株式投信を対象に調査した。社会的責任投資 ( SRI ) ファンドも含めた商品数は50本と1年前から八本増えた。
《 2007.7.26 日本経済新聞

「 SRI型ファンド、好調続く。ランキングベスト10 」などという記事も近頃よく雑誌に掲載されているが、社団法人投資信託協会のファンド分類では 「 SRI型 」 というものは定義されはいない。ところが、ファンド名称に 「 エコ 」、「 CSR 」、「 SRI 」、「 サステナビリティ 」、「 グリーン 」、「 社会貢献 」 などという言葉が入っているものはほぼ間違いなくSRIファンドとされている。

格付機関やファンド評価会社がSRIファンドの一覧を作成してパフォーマンスなどを比較評価している。ところがよく見ると対象になっている銘柄が微妙に違っている。

例えば、
インベスコ投信投資顧問株式会社が運用している「 プラスアングル 」。女性活用の進んだ会社を組入れ銘柄に選定して運用しているファンドだが、これをSRIファンドに分類しているのは 「 モーニングスター 」 社だけ。でも、同じく女性活用を運用方針にしている「 りそな・SGレディースバランスファンド 」、「 CAりそな グローバル・ブランドファンド 」 は掲載されていない。CSRアーカイブス社会的責任投資フォーラム などと見比べると対象としている範囲の差はもっと大きくなる。


何故こんなことになっているのかなぁと思い、何社かに直接確認してみたところ以下のような感じだった。
私: 「 御社が分析しているSRIファンドについてですが、対象ファンドをどのように選んでいるのですか 」
相手:「 当社がSRIファンドだと判断したものを対象にしています 」
私: 「 判断基準を教えてくださいますか 」
相手:「 企業秘密なので詳しくは言えませんが、名称や運用方針、組入れ銘柄、選定方針で判断します。」


SRIファンドであるということが、名称で決まるなんて、それも評価会社によって変わるなんておかしいと思いませんか?
「 環境 」 が流行っているからそれらしきものを事業にしている会社に投資するというのは単なるテーマファンドです。その投資している会社は、単に環境が金儲けになるからやっているだけかもしれない。アニヤ・ハインドマーチ 「 エコ 」 バッグの金儲け商法です。

SRI本来の意義である「 会社を育て、社会を発展させる 」、「 社会的責任を果たすために投資する 」ということが実現されたかどうか、つまり、投資された結果、環境が社会が、以前よりも良くなっていることが何らかの形で判らなければ、ほんとにSRIかどうかなんてわからないと思うのです。



(今回は番外編。次回に続く)

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