あれこれと 《 その8 》


「 良いことに投資するのはあたりまえ 」 という社会の雰囲気が醸成されるといいなと思います。
そのためには「 良いこと 」 とは具体的には何なのかを、そしてそれをどのように説明すれば、実感してもらい、共感して納得して、そこに投資してもらえるのかを考える必要があると思います。

そうはいっても 「 将来の社会や環境に役に立つものよりも、今、儲かるものがよい 」 と考えている人たちが恐らく多いでしょうから、投資家の意識が 「 お金儲けだけではなく、社会の役に立ちたい 」 という方向に変わることを促すために、

  • SRIで投資されたお金は実際にこんなに役に立っているのですよ、という具体的なフィードバック
  • 投資をすることでより良い世の中を作っていけるんですよ、という啓発( 投資教育 )

が重要だと考えます。


昨8月12日付けの日本経済新聞 14面に 「 長期運用で好成績を期待 」 とのタイトルでSRI投信の特集記事が掲載されました。株式市況が順調なときはSRI投信の運用成績も順調なため、このように耳障りのよい、目に優しい好意的な記事が増えてきます。でも、ひとたび運用成績が悪くなるとメディアはSRIなんて忘れてしまったかのように、一言も触れなくなります。それは証券系のアナリストも同じです。
今、サブプライム問題によって世界の株式市場が危機的な状況になるかもしれないと危惧されています。現実に株価が大暴落したときにSRIファンドはどうなるのか、です。


過去のエコファンドブームからの反省
エコブームにのり一時は盛り上がったが、ITバブル崩壊とともに下落。それでも、しっかりと価値観を持ち、投資を続けてくれている人たちは存在する。では、何故他の人たちは離れていったのか。"利益だけでなく、他に価値のあること"を伝えることができなかったから。


投資家の疑問 「 SRIでほんとうに社会は良くなっているのですか? 」


SRIという " 価値観 " を投資家に共有してもらうにはどうすればよいのか
例えば、ヤフーオークション。人は欲しいものであればとんでもない値段をつけることがある。買う前:期待による幸福感、買った後:浸る幸福感。これによってリピーターとなる。


SRIという価値を伝えるための 「 伝道力 」 をどこへグリップさせるのか。
それには投資家の行動を分解して考えると見えてくるような気がします。


( もっと続く )


SRI あれこれと 《 その7 》 はここです。
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