はシンプル


日本のものはダメで、海外のものなら優れていると思っている人たちが多い。日本国内では全く評価されずボロクソに言われたのに、海外で評判になったとたんに日本国内でも引く手あまたになるという例はいくらでもある。

つまり、日本人は自分ではきちんと評価できないのだ。有識者や著名人がすぐに海外の事例を口するのも同じこと。海外で流行っていると聞くと、すぐそれにすがってしまう。海外のことに精通している人などそれほどいるわけはないので、「 海外の本場で流行っているものなら、それなりにいいのだろう 」 と即座に信用する。だから、何だかよく分からないものにはたいてい海外事例の話がついてくる。
アメリカ人が 「 いい 」 と言えば何の疑いもなく 「 いい 」 と思うのだ。グローバル化が世の中の正義であるかのように言っている知識人は多いが、グローバルスタンダードがアメリカンスタンダードであることは周知の事実。


そもそも本場なんて、単にそれを最初に言い出した連中がいる場所が本場になるだけであり、CSRなんか近江商人たちはとっくにやっていたわけです。それが、海外の理論によって妙に理屈っぽくなってくると、目の前のお客さまや従業員たちよりも権威ある人たちから評価されたいと躍起になり、GRIガイドラインに則ったCSRレポートを作ってアピールしましょうとか、ISO26000認証を取って良い会社にみせましょうとかになってくる。

その結果CSRというものが複雑になってしまい、評価・分析の要因もその分だけ増えていき、なおさら複雑になる。CSR目標だとか、環境目標だとか、別に無くても困らなかった指標ばかりがやたらに増える。複雑化のPDCAである。
でもそれは本当に複雑になっているわけではなく、自分たちが勝手に理論を投入して複雑にしているのにすぎない。


「 会社は世の中をより良くするために存在している 」
「 お客さまや、従業員や、地域の人たちを幸せにする 」

CSRはもっとシンプルに考えて、実践しましょう。