動機づけ

経営の教科書には、必ず動機づけの大切さが記されている。動機づけをすれば、人は意欲を持ち、能力を高めて働いてくれると。


しかし、これはほんとうなのだろうか。
働く動機は人それぞれである。また、簡単に他人から動機づけなんぞされるのだろうかと思う。私自身、他人に動機づけしてもらおうなどとは考えたことがない。


「 力を結集する 」というのも妙な言葉である。会社とは人が集まって、ある目的の下で仕事をする組織である。それなのに 「 結集 」 しないと機能しないという。声に出して言うのは簡単であるが、実効性があるとはとても思えない。


ではどうするのか。
人は頼られると、頑張って成果を上げられるようになる。それによってさらに学び努力する。ということは、会社の方向性を示し、働く環境を整えて、社員を信用すればよい、ということだ。
成果が得られれば、意欲は自然に湧いてくる。方向を示していれば、力は自然に同じ方向に向かっていく。反対方向に力を発揮する者など出てこない。もし万一出てきたら外すだけだ。


だからこそ、組織であるとか、人事・給与などの働く環境をしっかりと整えておくことが大切なのである。年功や学歴、性別などによる差別的な制度を残しておくようでは、動機づけなど口にする資格はない。
キーワードは、公正、公平、平等である。