自動思考を止める


自分の期待やこだわりと異なる行動を相手が取った場合に、不信・怒り・失望といった感情が自動的に湧き上がってくる。


例えば、自分の指示通りに部下が動かなかった場合。
「 上司の指示には従うべきだ( 従わなければならない )」という信条体系( こだわり、思い込み、期待 )を持つ人は、それに反した部下に対して怒りがこみ上げてきたり、不信感や失望を感じたりする。


こういう場合の対処としては、自分の信条体系に気づきつつ、相手の立場を考えてみることだ。
自分の期待やこだわりが、「 自分が満足するためのもの 」になっているのではないか、相手のためになっていないのではないかと考えることが大切である。自分の指示や思惑通りに相手が動かなかった場合、「 指示がちゃんと伝わっていたか 」、「 指示通りにやることの重要性がちゃんと伝わっていたか 」というように、「 相手がちゃんと理解できたか 」を検証するということも大事だ。


よくないのは、自動的にこみ上げてきた感情に流されるままに、相手に対して怒りをぶつけたり、自分自身を否定したりするということ。自分から発信したマイナスのエネルギーは相手から戻ってきたり、別の人に伝播したりする。例えば、怒ったことに逆ギレされたり、怒られた嫌な気持ちを別な人に向けることで解消しようとしたりすることになる。


もう一つ気をつけたいのは、相手の判断の先取り。
自分がこんなことを言ったり( したり )すると、相手はきっと○○だと思うに違いないと信じ込んでしまう。これは相手が下す判断を、自分が先取り・先回りして判断してしまっている状態であり、自分自身に対する不信感や、自分の言動に対する不安感から生じるものである。相手の立場を考えるのは大切だが、気遣いし過ぎるのも自分がつらくなる。


このような信条体系による呪縛から逃れるには、まずは自分の中の信条体系に気づくことである。そしてその信条体系が今まで自分を守ってきた面に感謝しつつも、不都合になっている部分を解消( もしくは緩和 )していくことで、思考や行動が楽になっていくのだ。