些細なことから


私たちは自分に好意を示してくれる人を好ましく思います。このことは、好意を示してくれる人にお返しをするように好意を示すことから「 好意の返報性 」といわれます。では、実際にはどうやって好意を示せばよいのでしょうか。


口先で「あなたに関心があります」と言っても白々しいだけです。相手に好意を示す最も自然なアプローチは、相手に関心を持ち、それを相手に伝えることです。相手に関心を持っているということが伝われば、相手もこちらの好意に気がつくはずです。
例えば、私たちは雑談で話した「 些細なこと 」まで相手が覚えていてくれると、嬉しい気持ちになります。なぜなら、聞き流してしまいそうなたわいもない話を覚えていてくれたという驚きと、それだけ自分に関心を持ってくれているという喜びがあるからです。
好意と関心には深いかかわりがあります。相手に好意を抱けば、相手に関心が湧いてきます。逆に、相手に関心を持つのは、好意の表れであると考えることができます。そのため、相手に対して「 あなたに関心があります 」というメッセージを伝えることは相手に好意を示すことになるのです。相手の「 些細な話 」を覚えておき、次に相手と話す機会があったときに、その話題を持ち出すことは相手に関心があることを伝えるひとつの方法です。


私たちは、他人に自分の存在を承認されたいという欲求を持っています。そのため、お客様から頼りにされたり、上司にほめてもらったり、後輩から尊敬されたりすると嬉しく思います。
相手の話をよく覚えておくことは、相手の存在を認めることにもなります。特に、他の人たちが聞き流してしまうような「 些細な話 」まで覚えておくのは、相手にとって強烈な承認になります。結果的に、相手は欲求を満たしてくれたあなたに、好意を抱くようになります。


トップセールスといわれる人たちは、心からお客様に好意を寄せ、関心を持って接しています。お客様のために尽くすことが「 生き方 」になっているから、お客様に関心を持ち、些細なことまで記憶し、困っていれば力になってあげたり、興味のありそうな情報を提供をしたりすることができるのです。