傘をたたまない


ビシャビシャに濡れている傘をきちんとたたまない。電車はとても混んでいるのに。
一応閉じてます、なにか文句あるの、という感じで振り回す。あなたの神経は傘の先までも行き届いてはいないけれど、雫は廻り中に行き届くのです。
今日、たたまない傘でも手に持っている人はまだましだと思う光景を目にした。本を広げるのに邪魔になったのだろう。濡れた傘をそのまま網棚へ置いたのである。下に座っている人はしたたってくる水滴に迷惑そうな顔をしていたが、置いたご本人はそ知らぬ顔である。ここまで達観しているとお見事と言うしかない。