人を好きになる


会社とは人の役に立つ存在であることです。それは、他人の幸せのために貢献することにかかっています。そのためには、他人に関心や思いやりを持って仕事するということでしょう。
利己という枠を乗り越え他人の幸せを考えて働くことの大切さ、そしてそれを実践するための考え方を教えてくれます。

人間関係はテクニックじゃありません。大切なのはその人が持っている愛情の量です。愛情が薄い人は何をやってもダメです。成功したければ、自分ではなく、まず周囲を見渡してください。他人に関心を持ってください。他人に思いやりを持ってください。そうすれば、あなたが何をやればいいかが見つかります。あなたがどうすればいいかがわかってきます。
社会に貢献するという意識を持ちすぎると、してあげているんだという姿勢が出てしまい、ともすると傲慢になります。


今までの貸し借りや恩義の有無ではなく、その人の言っていることが正しいから、会社のためになるからというスタンスで物事を判断し、行動することが大事です。物事の判断を間違える時は、「 損か得か 」が絡んでいることが多い。「 善か悪か 」で考えなければいけないのに、経営不振の時に限って「 損得 」勘定が優先してしまう。これは人間の弱さです。
株価を気にするとウソを言いたくなる。悪い時は悪いと正直に言い続けてきたので、逆に、いい時はいいと言えば、マーケットも信じて受け入れてくれる。自分たちだけがいい思いをして、会社なんかどうなってもいいという株主にはなって欲しくない。


勝利の方程式は、奇策を打つのではなく、あたり前のことをしっかりやることなんです。仕事も本物志向でなければ絶対に通用しません。給料が高かろうが安かろうが、自分の調子が良かろうが悪かろうが、仕事で手を抜くことは万死に値します。
私が新しいことへチャレンジする際の基準は3つあります。まず1つ目は自分がワクワクするかどうか。2つ目が自分以外の人の喜ぶ顔が見えるかどうか。そして3つ目が野心を持てるかどうかです。


上司が育てようとしなくても、部下は勝手に育つのです。上司がやらなければならないのは、環境を整え、いいタイミングで部下にチャンスを与えることです。リーダーの条件は人を好きになること。
良い叱り方とは、相手のために叱ることと大義名分のために叱ることです。言い換えれば、自分を外に置いた叱り方と言えます。これならば、必ず相手に通じます。

引用文献: 「 渡邉美樹のシゴト進化論 」渡邉 美樹 著、日経BP社 刊