迫る地球寒冷化

5月15日付けの日本経済産業新聞に「 地球は寒冷化へ向かっているのではないか 」という吉川和輝  科学技術部編集委員の記事が載っている。地球温暖化に疑問をもつ声が世界中で高まってきている。


以下要約
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地球温暖化の科学的根拠に疑問を持つ「 懐疑派 」が今もっとも関心を寄せるのが、太陽活動が先行きどうなるかだ。太陽活動は歴史的ともいえる静穏期に入っている。


太陽活動の活発さは表面に現れる黒点の数とほぼ相関するが、黒点がほとんど観測されない日が延々と続いている。米航空宇宙局( NASA )は4月、「 太陽活動はほぼ100年ぶりの静かさ 」であると明らかにした。


ここ20年ほどの黒点数の推移パターンが、( 直近の寒冷期の )ドルトン極小期の直前あるいは初期に近いという見方をする研究者が増えている。


気候変動に関する政府間パネルIPCC )は、今後の太陽活動が一定と仮定して将来予測をしており、少なくともその前提条件が崩れる。また、現在のコンピューター・シミュレーションが、太陽活動のような自然変動の要素を小さく、温暖化ガス増加の影響を大きく見積もりすぎているのではないかという疑問が懐疑派の間には根強い。


常識的には、地球が温暖化するより寒冷化したほうが、人類にとっては対処がより困難だろう。温暖化の弊害として語られることも多い食料問題も、寒冷化の方が深刻だろうし、エネルギー・資源の制約も厳しくなる。
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太陽の黒点活動が年々低下していることは、2003年ころから指摘されている。新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO )によると、 「 1970年代後期以降の黒点活動が不活発な時期における太陽からの放射総量が、10年に約0.05%の割合で増加している。NASAのリチャード・ウィルソン研究員は、『 この傾向が何十年も続けば著しい気候変動を引き起こす可能性がある。注意すべき傾向だ 』と述べた。(海外レポート2003.6.16)」
この放射総量とは雲のようなもので、これが増えると結果的に地球を冷えさせるのだという。
それから2年後の2005年、米国ツーソンの国立太陽天文所のウィリアム・リビングストンとマシュー・ペンの二人の学者が、1990〜2005年に太陽黒点の変化を観察し、「 ほとんどの太陽黒点は2015年以後消える 」と報告したのだ。あまりにもとっぴ過ぎたために学会は無視をもって応えたが、今、NASAによってその論文の正しさが改めて証明された。