つなげる力

「 すごいスキルをお持ちのようだけど、なんなんだろうなこの人 」
薦められて勝間和代さんの本を3冊まとめて読んだ。どれもベストセラーだそうだ。開陳されている知識やスキルにすごいなぁと素直に関心してしまう。でも、次を読もうとは思わない。
違和感。「 自慢話ではない 」とわざわざ書いているが、自慢話でしかないように感じるし……。
確かに、努力した、成功した、稼いだ、有名になった。その体験とスキルを惜しげもなく披露しており、社会に還元していると言えなくもない。でも、「 なんだかなぁ 」と思うのである。私は妬んでいるのかもしれない。



ふと、以前読んだ 「 つなげる力 」  ( 藤原和博 著、文藝春秋社 刊 )  を読み返してみた。
本から流れてくる“気”が違う。藤原さんのこどもたちに対する愛情、周りの人たちへの信頼、教育改革への信念があたたかな雰囲気で伝わってくる。そこに感じるものがある。
ずば抜けた実行力やスキルを自慢するのでもなく、自ら起こした改革が全国に広まっていくのを誇示するのでもなく、こどもたちのために何ができるのか、どうすればいいのか、自分“たち”たちがしていることを淡々と語る。本から出る波動に「 愛 」を感じる。



勝間本に感じた違和感がわかったような気がした。
“私”なのである。「 私が、私が、」に辟易していたのだ。そこには他への愛情や信頼は出てこない。そうだったのか。