黒柿

真味



真の美味しさのことを真味という。時の流れやはやりすたりに左右されず、人々の中にいきつづくもの。


京都 鼓月の「 黒柿 」は、干し柿入りの小豆羊羹でこしあんを包み和三盆糖をあしらった、素朴で朴訥な感じのお菓子。切ると、意外にも中は表情豊か。紅みを帯びた茶色っぽい羊羹に包まれるようにして真ん中にあんが顔をのぞかせる。


和三盆やあんに混じりながら、口の中に拡がる 干し柿の味。あん、和三盆、干し柿、どれもが独特の甘味を持ちながら全体的にコクのある味わいを出している。見た目に華やかさはなくとも他にはない深い味わいを持つものがある。体験してみないとこれは分からない。