和菓子探検隊

沖縄ぜんざい

金時豆 沖縄の「ぜんざい」は、黒糖で甘く煮た金時豆にかき氷をかけたもの。 もともとは緑豆と大麦を甘く煮て冷やした食べ物で「あまがし」と呼ばれていた。戦後に金時豆で作られるようになり、冷蔵庫の普及と共にかき氷を載せるようになったらしい。 このか…

こくせん

飛騨の駄菓子 「 こくせん 」は、きな粉と水飴を練ってひねった、高山を代表する駄菓子。 飛騨では周辺の山に自生するくるみやとちの実などの木の実や、畑で採れる麦や米、大豆などを使った駄菓子が早くからあったという。 こくせんのなかでも、下一之町の堀…

あも

京ことば 「 あも 」とは、古い京ことばでお餅のこと。宮廷に仕えていた女房(女官)言葉だそうな。 叶匠壽庵の「 あも 」は、丹精込めて炊き上げた小豆と、やわらかな求肥を合わせた極上の棹菓子。周りは大納言小豆を固めた羊羹のようでいて、なかに求肥が…

をちこち

しっとり村雨 外側が小豆の村雨で仕立て、内側に大納言粒あん村雨、中心に白あん村雨をはさんで重ねた棹菓子。両口屋是清の「 をちこち 」は、小豆で最上級とされる丹波大納言だけを用いた蒸し生菓子。切り口が五層をなして美しく、しっとりと程好い湿りとお…

月の雫

山梨ならでは ぶどうのシーズンである9月下旬から作り出すのが、松林軒製菓の「 月の雫 」。生ぶどうを1粒ずつ砂糖衣で包んだもの。ザラメを溶かして煉り、加熱して柔らかくした液にガクをつけたままのぶどうを1粒ずつつまんで浸し、すぐに取り出して固め…

生月餅

とうふく 逆さまになった「 福 」の文字を「 とうふく(倒福) 」といい、福が来る(至る)の意味から幸せを祈る言葉となっている。 横浜 ありあけ の「 とうふく 」生月餅は、そんな願いを込めたお菓子。しっとりした練乳生地に包んだ月餅の餡が、香ばしく…

伊達小巻

菓匠三全 仙台銘菓「 萩の月 」で有名な「 菓匠三全 」の、知られざる銘菓。やわらかな求肥に、小豆、ごま、梅の三種の自然風味をやさしく包み込んだ、小さくてかわいらしい餅菓子。さっぱりした味わいです。甘酸っぱさがとても心地良くて、いちど食べると癖…

武者がえし

熊本城の石垣 熊本城の堅牢な石垣が「 武者返し 」と呼ばれるのは、上にいくほど反り返るから。 これを揺らぐことのない信頼を固めるモチーフとしたのが香梅のお菓子「 武者がえし 」。地元で愛され続けている定番の和菓子である。 北海道産の良質の小豆を使…

胡桃カステラ

昇仙峡 これも昇仙峡天神森にある、すがはら屋の名物菓子。やわらかいカステラ生地にたっぷり乗った胡桃が香ばしい。 店内に工房があり、地元の平飼いの養鶏所から届けられる新鮮な卵を使って固定釜で手作りしているカステラ。職人技の甘すぎない、ちょうど…

塩せんべい

東京おせんべい つぶつぶした薄い生地と醤油の香ばしさが絶品。 三原堂の塩せんべいはかたさもちょうどよくて美味しい。東京みやげにと、厳選されたうるち米を使った塩せんべい。うるち米を独特の製法により、つぶつぶ感を残し薄くのばした生地をじっくりと…

天神胡桃饅頭

天神様の言う通り 金桜神社を前宮とした金峰山をひかえた昇仙峡天神森にある、すがはら屋の創業は明治23年。地元昇仙峡に豊富に生る樫胡桃をたっぷりと使ったのが天神胡桃饅頭。渋みのある胡桃の薄皮を丁寧にとるのが美味しさの秘密。 あんは北海道十勝産…

笹子餅

峠の力餅 JR笹子駅前にある創業が明治28年のみどりや。 当時は茶屋として、笹子峠を越える旅人に出していたのが笹子餅。ひと口サイズの蓬餅である。しっかりとしたつぶ餡を包んだ香り高い餅は、ひときわ元気をださせてくれる。

栗ふくよせ

おいしい栗 「 栗ふくよせ 」は一幸庵の栗饅頭。 ほんとうにおいしい栗を白餡でくるんでほんわかと焼き上げている。皮の焼き加減と栗のほくほくさを、まろやかな白餡がつないでいる。

あざぶ最中

香ばしい 東京都文京区小石川にある一幸庵の「 あざぶ最中 」は、自分で餡をサクサクの皮でサンドイッチにして食べる。 最中の皮と餡が別になっていて、皮は「ばりん」と音がするようで、かじると煎餅のようなお米の風味がふわり。餡ははさみやすくするため…

まゆ最中

絹 自由が丘駅前にある蜂の家の代表菓子「 まゆ最中 」。 まゆを象ったひとくち最中で、小倉、胡麻、白つぶし、柚子、黒糖の5種類の味を楽しみめる。 “絹ごごちのくちどけ、絹ごごちのおもてなし”はさておき、かわいい形と色どりがいい。

東京バナナ キャラメル味

二十年目 「東京バナナ」の二十年記念として出たのが、キャラメル味。しっとり、ふわっとしたゴールド色のスポンジケーキにキャラメルバナナのカスタードクリームが包まれている。こがし砂糖のキャラメルにミルキーなバナナ味がとろりと溶け合っておいしい。…

おときき山

風味あるしろ餡 両口屋是清の「お ときき山 」は景勝地として知られた、遠く鳴海潟の波の音が聞こえたという「 音聞山 」に因むもの。ひと口大の、小高い山を模している。 柔らかな山肌を思わせる肌目の細かい皮。手に取り2つに割った瞬間ふわりと立つのは…

紅梅焼

山梨の駄菓子 紅梅焼は甲信地方の郷土菓子。山梨県産の小麦粉を使って焼いた、米粉でなく小麦粉のおせんべい。堅いパンのような、柔らかいクッキーのような、小麦粉と砂糖だけのほのかな甘味の素朴で懐かしい味。 梅の花をあしらったせんべい型で焼いたこと…

かまくらカスター

鎌倉のお土産 鎌倉の定番お土産にもなってきた鎌倉ニュージャーマンの「 かまくらカスター 」は、ふわふわのスポンジ生地にたっぷりのカスタードクリームがはいった生菓子。スポンジ生地は気泡がとても細かくフワッとしており、卵っぽい味の強いカステラ風。…

夢二

古き良き時代の大切な心 大正浪漫を代表する詩人画家、竹久夢二。 この名を冠したのが、岡山県邑久町の敷島堂創業以来の「 夢二 」。味の改良のため一時販売を中断していたほどのこだわりのお菓子。 丹念に炊き上げられた柔らかなしろ餡が、ほのかにミルクの…

よも山

深みのある餡 茶人好みの風情ある菓銘、侘びた意匠、何よりもしみじみ噛み締め、皮と餡の旨味を楽しみたくなる古風な味わい、四季折々の山々の風情を焼印で表した「 よも山 」。 卵の香る皮で深みのあるこし餡を包む。素朴な皮と香ばしい香り、そして舌触り…

名代 芭蕉( なだい ばしょう )

なんてったってBANANA 「名代 芭蕉」は釣鐘まんじゅうで有名な釣鐘屋本舗のもうひとつの名物。芭蕉とは松尾のことではなくバナナである。その名のとおり、いわゆるバナナカステラの元祖。その大きさ、ボリューム感ある威風堂々とした見事なバナナであ…

八雲もち

柔らかいのにコシがある 竹皮に包まれたふわふわのおもち。触れば崩れそうな危うい柔らかさなのにコシがあって食べ応えがある。 ちもとの「 八雲もち 」は、メレンゲに寒天を混ぜ、そこに羽二重粉、上白糖と黒糖を練り合わせている。マシュマロのようなふわ…

三木都の松風

西本願寺の御用菓子 「 わすれては 波の音かとおもふなり 枕にちかき 庭の松風 」 顕如が詠んだ和歌から名をとった「 松風 」は、西本願寺の御用菓子。もとは織田信長が一向一揆を制圧した時、西本願寺で食料が不足した際に、西本願寺東側にあった亀屋陸奥の…

香果餅( こうかもち )

和風月餅 月見は、月の暦で生きる東アジアの人々の収穫祭です。中国では、中秋に月餅を神に捧げ、分かちあう習慣があります。京都 老松の月餅は、京菓子風に食べやすくアレンジしたもの。収穫の意味で、木の実や果実をたっぷり詰め込みそぼろ状の生地で焼き…

四里餅( しりもち )

名栗川 明治の頃、木材を東京へ運ぶ筏がひっきりなしに下る名栗川の四里は、飯能の激流として知られていた。裏に名栗川が流れる大里屋は茶店として大福餅と茶饅頭を出しており、「 この餅を食べると、激流も“しりもち”をつかずに一気に乗り切れる 」というこ…

甘酒まんじゅう

名栗街道 大里屋は飯能から秩父へ抜ける名栗街道を2キロほどいったところにある老舗。創業は明治10年。名栗街道を行き来する茶店としてもにぎわっていた。 甘酒まんじゅうは、糀の残る甘酒を濾した汁を生地に混ぜ込んで作る。厚めの皮は少し歯ごたえがあ…

五三焼

皇室献上 五三焼とは、カステラの黄金比率「 卵黄五、卵白三 」に由来した、長崎 匠寛堂( しょうかん堂 )の逸品。 良質の優しい自然素材にこだわり、熟練職人がひたすら手焼きにこだわった、極上のカステラである。口溶けも喉越しも自然で、ただ、おいしい…

うまい棒 チョコ

限定生産 子どもに大人気の駄菓子、うまい棒。そのチョコレート味は知る人ぞ知る銘菓である。 使っているチョコレートはクーベルチュール。うまい棒のサクッとした柔らかなくちあたりにとても上品にマッチしていて、そこらのなんちゃってチョコレート菓子と…

合わせ焼

三熊野詣 三重県熊野市の糸川屋製菓店の真骨頂は、火力にこだわった、芳ばしい味わいを追求した焼き菓子。日持ちのする焼き菓子を50年間作り続けている。 「 三熊野詣 合わせ焼 」は、洋風薄焼きせんべいにしっとりつぶあんを挟んだお菓子。熊野古道を遠く…