和菓子探検隊

宝来

多摩の千鳥 山芋を加えた生地を型抜きし、銅板で焼き上げ、粒あんをサンドし、可愛らしい千鳥の焼印を押して仕上げたお菓子。香ばしい風味、ほっくりとした口当たり。どらやきでもなく、クッキーでもない「 宝来 」。 とろりとしたつぶあんがたまらなくおい…

曙の鶴

田園調布 あけぼの菓子舗は昭和7年に田園調布で創業し、爾来70年余り親しまれてきたお店。その代表的銘菓が「 曙の鶴 」。 精選卵、白胡麻、小麦粉を程よく調和させた焼き皮のなか自慢のこしあんを包み、形良く表面がひび割れるように焼き上げている。早…

冨貴豆

元祖 青えんどう豆は、完熟すると澱粉質が多くなる。その完熟豆の薄皮をむいて砂糖で煮上げたのが「 冨貴豆( ふうきまめ )」。 元祖 まめや は、冨貴豆一筋の老舗であり、無添加、無着色の手造りを創業以来通している。半ばくずれかけた豆の形、やさしい若…

大禹謨( だいうぼ )

希少糖 「 大禹謨( だいうぼ)」とは、中国の四書五経の一つである「 書経 」の中に見られる、中国黄河の治水に尽くした夏王朝の祖「 禹王 」の大なるはかりごとのこと。香東川の改修の際、「 大禹謨 」と石に刻み、川中に祀ったのが、讃岐の溜池の新造、改…

出雲阿国

先取の気概 出雲の阿国は歌舞伎の始祖。先取の気概を持ち、新鮮さを追い求めたその稀有な生涯をモチーフにしたのが、坂根屋のお菓子「 出雲阿国 」。 まろやかさ、やわらかさ、上品をテーマに、乳あんの風味豊かな焼き菓子に仕上がっている。

宿禰餅

相撲の軍配 出雲は相撲の元祖、野見の宿禰 (のみのすくね) の出生地。垂仁帝の命に依り當麻の蹶速と大力を競い宿禰が勝ったのが相撲の嚆矢と伝わっている。 宿禰餅本舗の坂根屋は創業130年の出雲の老舗。宿禰餅は、弾力のある島根県産糯粉をよくねり、ペ…

出雲ぜんざい

縁むすび 旧暦10月には全国から神様たちが出雲にお集まりになり、「 神在祭( かみありさい )」と呼ばれる神事が執り行われます。 そのお祭りの折に振る舞われたのが「 神在( じんざい)餅 」。その「 じんざい 」が、出雲弁で訛って「 ずんざい 」、さ…

花月かりんとう

湯島 艶やかに飴がけされた美しいかりんとう。湯島にある花月は、上品なかりんとうの名店。上白糖を煮詰めたべっこう飴を三度揚げの生地にからめた、艶々した光沢のかりんとうが看板商品。 ゆしま花月は昭和20年代の初めに子ども相手の小さな駄菓子屋とし…

しづくあん

根岸 芋坂 芋坂「 羽二重団子 」の特別なお団子が「 しずくあん 」。 独特のこしあんと生地種を、一滴のしづくに見立てたもの。まさに羽二重の如き、小豆の風味とうるち米との調和を楽しめる一品です。

むらくも

明治元年 宝来屋本店の「 むらくも 」は小豆餡を堪能し尽す上品な味わい。 つぶし餡をさらし餡のしぐれで巻いたお菓子。豆の風味を損なわないように炊かれたつぶし餡は、豆の食感を楽しめるくらいのしっとりさ。それを、丁寧に水気を飛ばした繊細な舌触りの…

銀座あんも

あんもち 「 あんも 」とは、幼児言葉で「 あんもち 」のこと。 源吉兆庵の「 銀座あんも 」は、もっちりとした生地の中にさらりとしたこしあんをたっぷり入れた、もちもち生地の食感と滋味深いこしあんの風味がお互いを引き立てる優しいお菓子。 京都 満月…

くるみ黒糖

半生 大粒くるみに黒糖をたぷりからめたのが、もへじの「 黒糖くるみ 」。 ソフトでしっとりとした半生タイプの黒糖コーティングなのに、なかのくるみはパリッ、カリッとしっかりした歯ごたえがある。くどくない甘さとくるみの香ばしさに、ついつい手が伸び…

なごやん

おいしくて手頃 敷島製パンの「 なごやん 」は、黄味あんがいっぱい詰まったカステラまんじゅう。発売以来50年を越える庶民的なロングセラーなお菓子。良心的な値段とわかりやすい素直な美味しさで名古屋名物として多くの人に愛され続けている。

松韻

黒松 島根県の県木は「 黒松 」。その黒松をモチーフとしたのが、松江の老舗菓子舗 三英堂の「 松韻 」。 求肥に小倉を張り合わせ胡麻を散らしている。やわらかな歯ざわりと香ばしさが楽しめる茶菓である。

季子ごよみ

四季 松江の三英堂の「 季子( きし )ごよみ」は、季節に合わせた4種類のお菓子。 今の季節はバージョン。麦粉を混ぜた淡雪生地の中にみかんの果肉と二色の琥珀を散らし、みかんの香りを生かした冬の味覚になっている。 3センチ弱の立方型のお菓子が、箱…

松江城

湖都 松江の市の木は松。湖都 松江の豊かな水に松の緑がよく映える。 その松と松江城を求肥にしたのが桂月堂の「 松江城 」。薫り豊かな薄茶味と香ばしい白胡麻の2種類の求肥に京黄奈粉をまぶして表している。

からころ橋

松江 小泉八雲がこよなく愛した湖都松江。小泉八雲は当時木製だった松江大橋を、下駄履きでカラコロと楽しそうに渡っていたそうです。 そんな逸話をお菓子で表現したのが桂月堂の「 松江からころ橋 」。 こし餡をしっとりとした胡麻せんべいで挟んだお菓子。…

柚餅子

神在 出雲では昔から旧暦十月を神在月といい、全国の神々がお集まりになって縁談のご相談をされると伝えられている。ちょうどその頃、農家のあたりには、柚子の実が青い葉陰に見え隠れしている。 昔ながらの懐かしい風情を偲ばせるのが、松江 福田屋の「 柚…

焼きまんじゅう

上州名物 焼きまんじゅうは、群馬県の郷土食。前橋市・伊勢崎市・館林市などの県南部・東毛地区が本場とされている。蒸したまんじゅうを竹串に刺し、黒砂糖や水飴で甘くした濃厚な味噌ダレを刷毛で裏表両面に塗って火で焙って焦げ目を付けたもの。 焼きたて…

湯の花まんじゅう

石段街 伊香保温泉は温泉饅頭発祥の地。ここでは「 湯の花まんじゅう 」と呼ばれており、有名な石段街や道路沿いには看板が立ち並ぶ。 温泉土産の定番となった温泉饅頭を明治43年に日本で最初に作ったのが勝月堂。石段街の一番上、伊香保神社のすぐそばに…

そばぼうろ

そばの里 秩父路 新そばの季節となった。香り高い新そばは、実はお塩(自然塩)をつけて食べると、一段とその香りが引き立っておいしい。 秩父市荒川のそばの里で売っているのが、そばやさんの「 手造り そばぼうろ 」。ぼうろとはポルトガル語で「 ケーキ …

クルス

異国情緒 焼きせんべいにオリジナルのホワイトチョコをサンド した生姜風味のサクッと香ばしいお菓子。 キリシタン殉教の地、長崎で生まれたのが、小浜食糧株式会社の「 クルス 」。クルスとはポルトガル語で「 十字架 」のこと。パッケージには、鈴木信太郎…

松風

日本一薄い 熊本県菊池のお菓子「 松風 」は、南北朝時代に京都より伝わり長い年月の間に改良が加えられ独自の形となったもの。元祖京都は厚みがあるが、菊池の正観寺丸宝のものは1.5mmという薄さ。「日本一薄い和菓子」と銘打っている。 小麦粉、甜菜…

信玄桃

一宮町特産 「 信玄餅 」で有名な桔梗屋の、もうひとつの銘菓。ピーチゼリー入りの白餡を小麦粉生地で包み、色・形ともに山梨県笛吹市一宮町特産の桃にした焼き菓子。ふわりと広がる桃の香りと口どけのよさを一年中楽しめる山梨の“桃”である。ダンボールの箱…

とうふタルト

水晶水 山梨県道志村は清冽な湧水、水晶水が名産。その水で育てたクレソンは日本一の生産高を誇る。 そして、おすすめなのが道志豆腐。大豆そのものから自社栽培をして作っており、自社栽培する為の畑も、農家の高齢化や農業の担い手不足で社会問題となって…

へそまんじゅう

奥多摩 奥多摩名物のへそまんじゅうを売っているのは、青梅街道の日向和田駅を過ぎてすぐ左側、神代橋交差点角にあるドライブイン。店で蒸しているあつあつのまんじゅうを購入できる。 白と黒糖の茶の二種類のまんじゅうがあり、両方ともつぶあん。皮がうす…

白花栴檀

土佐の初夏 牧野富太郎博士が命名した「白花栴檀」。初夏の土佐で淡緑色の葉陰に真っ白な花房をつける。 その名前を頂いた菓舗 浜幸の薯蕷饅頭は、白く清らかな見た目であっさりとした風味。あんは室戸岬海洋深層水をつかって炊き上げた皮むき小豆を用いたこ…

塩船いもようかん

観音さまのお菓子 九里(栗)よりうまい十三里、は川越のさつまいものことであるが、このあたりのさつまいもは確かにおいしい。 米銘菓で有名な青梅の塩船観音のちかくにある「 つつじや 」が秋限定で作っているのは「 塩船いもようかん 」。さらっとした口…

鳴門金時パイ

極上さつまいも 鳴門金時はさつまいもの代表品種。鳴門の畑は土ではなく柔らかな砂地。しかもその砂は鳴門海峡にもまれた海砂で、鳴門の海に含まれているミネラルや生命の元が凝縮されている。そんな畑で作られたさつまいもは特別なおいしさがある。 ふんわ…

西沢渓谷 よもぎ餅

濃厚よもぎ 西沢渓谷は、秩父多摩甲斐国立公園内に位置する国内屈指の渓谷美を誇る景勝地。巨大な花崗岩を清流が浸食してできた天然の芸術である。原生林を流れる渓流がいくつもの滝を作り、神秘的な魅力に満ちあふれている。 そんな自然の朝摘みよもぎで作…