風雅

唐菓子



京都東山にある七条甘春堂の「 風雅 」は、麩を焼き固めたお煎餅。パリっと割れるくらい硬さはあるが、口にいれるとふわーっ、しゅわーっと、溶けていく。和三盆糖の蜜がけが焼き印の香ばしさとあいまってほんのりと甘い雅な口あたりが後を引く。


唐菓子のひとつとして空海上人が唐よりその製法を聞き伝えた大同元年( 806年 )以来、煎餅の中でも最も素朴さをまもりつづけてきたそうな。
茶の湯にあって千利休も好んだと言われている。素朴さゆえ、原料となる「米」は近江米、「水」は音羽の水、そして「焼きかげん」と伝統の手法で仕上げている。