って、何ですか?


Corporate Social Responsibility を略して“CSR”です。
「企業が果たすべき社会的責任」と訳されています。

社会に対して大きな影響力を持つ企業は責任を持った活動をしなければならない、という意味で使われます。企業は、自ら襟を正し、誰からどこから見られても後ろ指をさされないよう模範となる行動をしなさい、ということです。


「法人」と言われるように、責任ある行動をするという点で企業は人と同じです。
人の場合、「きちんと挨拶しなさい」とか、「他人に迷惑かけちゃいけないよ」とか、「弱いものいじめはしちゃだめ」とか、「世の中のお役に立つんだよ」とか言われます。そうやっていると、あの人はいい人だ、友だちになりたいなぁ、とか、困っているから助けてあげよう、などと思ってもらえます。

企業も同じです。「正しい」こと、「嘘を言わない、人を騙さない、正直である」こと、はあたりまえなのです。
「法律で禁止されていないから、やってもいいだろう。」 ではなく、「社会からズルイと思われないように、きちんとしよう。」、「世の中にとって正しい行動をしよう」、「社会をよくするために働こう」 という倫理感が企業に必要なのです。

「やっちゃあいけないことは、やっちゃあいけない」。これは理屈ではありません。

欧米ではこの部分を理屈で説明します。
ですから法律が全てで、法律を守ることに全力をあげます。そこでコーポレート・ガバナンスやコンプライアンスなど外からの規制に頼ることになります。内部統制法(SOX法)もそうです。そうしていると逆に、「だめ」と書かれていないことはやってもいい、と理解するような輩も出てきます。

どうしてなんでしょうか。

企業の実態はそこに働いている人たちですから、その人たちが何を考え、どう行動するかが一番大事です。世のため人のためを考えて行動する人なのか、自分の利益しか考えることのできない人なのか。類は友を呼ぶ、結局は会社の風土、文化、環境がそうさせているのだと思います。

GRIガイドラインやISO26000の必要性を否定する訳ではありませんが、それだけでは単に形を整えただけにすぎません。人の行動が心、考え方で決まるように、経営の理念が企業の行動を決めるのだと思います。