いすゞ117クーペ


ジョルジェット・ジウジアーロがデザインした、ファーストバックスタイルの"走る芸術品"と賞讃された車。
やっと手に入れました。リアへと流れる絞りのラインのシンプルな美しさに、うっとり。


1968年12月、発売開始。 4シータサルーンとして、全席にヘッドレストとシートベルトを備え、後席にも3段階リクライニング機構を標準で装備したのは当時としてはとても贅沢なもの。エンジンは、G161W型を搭載。2連装されたツインチョークのソレックスキヤブレターと10.3という高い圧縮比が、120ps/6400rpmの出力と14.5kgm/5000rpmのトルクをたたき出す。
当時の価格で172万円。ほとんど手作業による組み立てと品質管理のもと、月産50台という非常に丁寧なペースで作られていた。


シンプルで流れるようなラインの裏側にはデザイナーによる苦闘のプロセスが隠されている、と日本人でただ一人フェラーリのデザインディレクターを務めた奥山清行さんが書いている。フェラーリに代表されるイタリアンデザインと伝統的な日本美との共通点は「余計なものを極限までそぎ落とした美しさ」だという。


引用文献:フェラーリと鉄瓶 」 奥山清行 著、PHP研究所