正義のNPO


企業へCSR活動の助言をすることを仕事にしているNPOがあります。 「 世の中を良くするために我々が企業を指導しなくては ! 」 という情熱があふれ出ています。いわゆる正義のNPOです。


「 あれやっていない、これもできていない 」 と、思いっきり指摘されます。判っているんです、どこができていないのかは。だって私、当事者なんですから。 ( 当時の話です。)

企業のCSR活動結果を見て批判 ( 失礼、アドバイスでした ) するのは、たやすいことです。それは野球の解説者が 「 あんなボールに手をだしちゃいけませんね 」 とか、「 この場面でフォアボールは許されません 」 とか後から言うのと同じです。そんなこといちいち言われなくとも選手は自分で判っています。


企業のCSR担当者は、CSRたるべしと考えるが故に無碍に断りきれない多種大量の要請に、迅速な判断と柔軟な対応を求められています。しかし企業には壁もあります。“ CSR ”だからということでもろてをあげて賛成してくれる人たちだけなら何の苦労もありません。でも普通は、社内のワカランチンたち ( 偉い人たちの場合が多いです… ) をやっとの思いで説得し、なんとか実践しようと頑張っているのです。理想を100点として、やっとできたことが仮に30点でしかないとしても、できているところを褒めてあげてください。そうすると 「 次をやろう 」 という気持ちになります。


CSRはやってあたりまえ、そのとおりです。でもそれをやるのは人間です。NPOの方は頭で考えているようには企業の現場は進まないことを体感してください。選手に疎まれる解説者にならないためにも。


参考:《 CSRとNGO 》