あれこれと 《 その6 》


2006 年9 月18 日付けの日本経済新聞にPRI( Principles for Responsible Investment :責任投資原則 ) が大きく取り上げられ、環境の問題、社会の問題および企業統治の問題が、機関投資家が運用するポートフォリオのパフォーマンスに影響を及ぼすようになってきたと解説されていました。
ですが、考え方についてはちょっとちがうかなと違和感が残りました。責任投資原則という形式しか見ていない。


SRIファンドというのは、旧来のように"モノ"としてではなく、投資家が 「 社会が少しでもよくなるような投資をしたい 」、「 投資することで地球環境保護に貢献したい 」 という自分の価値観を満足させることができる"コト"としてあるべきだと思います。

お金さえ儲かればそれでよしとする企業が淘汰され始めています。これからのビジネスに求められるのは文化であり、美学であり、従業員、お客さま、地域社会、そして環境への暖かなまなざしです。バブル経済の頃以来、日本の社会がずっとないがしろにしてきた、こころ、 美意識、 やさしさ、 人への暖かさ といったものが揺れ戻しのように再び求められてきています。


京セラ創業者の稲盛和夫さんがこんなふうにおっしゃっています。

会社だけが儲かればいいと考えるのではなく、取引先にも利益を上げてもらいたい。さらには消費者や株主、地域の利益にも貢献すべく経営を行う。また、個人よりも家族、家族より地域、地域より社会、さらには国や世界、地球や宇宙へと利他の心を可能な限り広げ高めていこうとする。すると、おのずとより広い視野をもつことができ、周囲のさまざまな事象について目配りできるようになってくる。 「 動機善なりや、私心なかりしか 」


引用文献: 「 生き方 −人間として一番大切なこと 」 稲盛和夫 著、サンマーク出版



( まだまだ続く )

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