あれこれと 《 その12 》


「 社会的、倫理的に正しいことをしている会社 」 という範囲に投資対象銘柄が制限されることは、投資チャンスを制約することになりますし、投資対象の業種などに偏りが出る可能性もあり、理論上は 「 優れている投資手法 」 ということにはなりません。
CSRに優れた会社にも良い投資対象があるでしょうし、CSRに優れていない会社にも良い投資対象はあるでしょうから、どちらにも自由に投資ができる方が投資手法としては優れているはずです。

最近のSRIファンドはポジティブスクリーニングとして、会社にアンケート調査を行ったり ( 環境対応、コーポレート・ガバナンスや女性の活用などについて ) 、会社の公開情報を調べたりして、CSRに優れている会社に投資するような運用が増えています。しかし実際に運用されているSRIファンドは普通の国内大型株式ファンドとほとんど変わりがないように見えます。
アンケートに回答できるのは評価されるような社内体制をきちんと整備している企業であるということから、大企業が高得点を得るケースが圧倒的に多く、自然と大型株に傾斜した運用になるからです。
これまでの株式相場においては大型株の調子が良かったので、SRIファンドの運用成績も良くなっています。



( そろそろ終わりが近いかな … )


SRI あれこれと 《 その11 》 はここです。
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