をやっているのは良い会社という幻想


CSRを推進している会社は良い会社だ、という一般的な認識がある。一面では確かにそうである。しかし、別の面から見ると、テクニックだけ、表面上だけじゃないかということもある。
CSRのKPI( Key Performance Indicators:主要業績評価指標 )として、環境、社会、ガバナンス( ESG )が重要視されているが、実は、これはやり方によっていかようにでもできる。所詮はCSRをある面から判り易くするための指標にすぎない。


企業の不祥事が発生したときに、「 あんなにCSRを熱心にやっている会社が不祥事を起こすなんて信じられない。」という意見が結構でてくる。それくらい社会的に信用があったからなのだろうが、いくらCSRを熱心にやっていようが不祥事を起こす体質とは何の関連もない。

昨年末に不正会計事件が発覚して上場廃止の危機に直面した大手証券会社は、かつて、いち早く米国流のガバナンスを取り入れ、環境活動にも熱心で取締役の個人別報酬額を開示するなど、CSRでは先端企業だといわれていた。
それでも、不祥事は起こったのである。


企業は人である。企業人としての意識を作るものは会社の風土であり文化であり、トップのコミットメントである。SOX法などで外から枠をはめようと、会社の意識は簡単には変わらない。