数値で評価することの歪


CSRの数値化に向けての検討が進んでいる。「 KPIは誰のため 」
KPI( Key Performance Indicators :主要業績評価指標 )を定めてCSRを数値的に評価するのは、例えていうならば学生を偏差値で評価するのと同じである。社会人ならば人事考課だろう。

確かに、数字は客観的で判りやすい。しかし人の全てを数字で表すことはできない。判断材料のひとつとしてならばまだしも、常に数字が優先され、数字だけで優劣が決められるということを人の評価として使うのは誤りのもとである。そんなことをやってきたから、人は数字に一喜一憂し、間違った選択をしてきたのだ。競争社会での数字を追う醜さが社会の歪を作り出してきたのではないか。


企業は“ 法人 ”と言われるように、人なのである。CSRとして法人に求められているのは自分だけの利害を超えた社会性、公共性であり、それは小賢しい計算を超えた生き方、あり方、すなわちプロセスである。


「 数字 」 は、誠実さやまっとうさの証には、なりえない。