正しいより楽しい


正論を口にするとき、人はどうしても 「 自分は正しいことをしているんだ 」 と思い込んで、妙に居丈高になってしまいがちです。つい、教え諭したり、説教したり、訓示を垂れたりしてしまいます。でも、いくらその中身が正しいことであっても、上から目線で物言う姿勢では、聞いた人は気持ちが動かないし、反発することさえあります。


かつての社会党 ( 現在の社民党 )党首であった土井さんのお決まりのフレーズは 「 正しいことは正しい ! 」でした。政策主張もすべてこの調子で、理念的には正しいのかもしれないけれど、ちっとも賛同する気持ちにはなれませんでした。


環境問題やCSRについて語る人たちにもこの傾向が強いように見えます。
正論を伝えるときにこそサービス精神が必要なのだと思います。正しいことを言おうとするからこそ、恫喝や押し付けになったりしないように、マジメだけでつまらないことになったりしないように、工夫しなければなりません。

そのことが “ 正しい ”のは、みんなもう判っているのです。
だから、正しいよりも 「 楽しい 」。正しいよりも 「 カッコいい 」。正しいよりも 「 お茶目 」な伝え方をするとみんなが気持ちを寄せてくれる、そんなふうに考えています。
「 正論は正しいのだからそのまま伝えればいい 」と考えていると、結局、誰の心も動かすことはできません。


「 正しい 」 より 「 楽しい 」、のススメ