意識を変えてくれたもの


シャボン玉石けん会長の森田光徳さんが9月にお亡くなりになったことを人づてに聞いた。
「 環境に良い、を謳い文句にしている製品は胡散臭い 」とそれまで思っていた私の意識を、シャボン玉石けんは変えてくれました。感謝の意味も込めて当時のエントリーを再掲させていただきます。

合掌


< 当時のエントリー >
このところ手が全然荒れません。
ここ3ケ月、台所の洗い物を奥さんが手伝ってくれたおかげもあるのですが( お皿洗いは私の重要なミッションなのです )、洗剤を替えた効果がてきめんに出ています。


魔法のような自然洗剤です。
シャボン玉石けん…。


私が使っているのはEM配合の液体タイプですが、3回使っただけで (つまり 1日 )、シンクがつるつる、お皿が新品に、コーヒーカップに付着したコーヒーの色もあっという間に消えます。そして、流した水がきれいな水玉になります。
水が冷たいと油汚れが落ち難いこともありますが、お湯を少し使えば問題はありません。

合成洗剤を使っていたそれまでは手がピリピリしてうっすらと赤く腫れ、さつまいものような指になっていましたが、今は全く平気で白魚のような指です。
奥さんは「 オレンジの匂いが好き 」と合成洗剤を使います。彼女の手は頑丈です。でも、合成洗剤を使うとEM( 有用微生物群 )が死滅するのか、シンクがどんよりと曇ってきます。


EMについては否定的な意見もあります。例えば、WWFジャパンは 「 EMの効果は科学的に証明されておらず、環境への影響が未知数なので支持できない 」 と言っています。


私がしゃぼん玉石けんを知ったのはこの本からでした。 ⇒ 「 環境浄化石けん 」 森田 光徳 著、サンマーク出版

合成洗剤で大儲けした森田社長がふとしたことで合成洗剤の危険性に気付き、数々の逆境を乗り越えながら、自ら使命として安心を追求していく生き様が描かれています。

1971年初夏 旧国鉄九州地方資材部から、「 無添加の粉石けん 」 製造オファーが入った。
用途は機関車の洗浄。現在納入している合成洗剤だとサビが出るが、無添加石けんだとサビないという。それまでシャボン玉石けんではJIS ( 日本工業規格 ) の定めるところの無添加石けんの製造経験は、ない。純石けんが95%以上、水分が7%以下という、とんでもなく高いハードルだった。工場技術者もノウハウを知らない中、森田社長も一緒になって徹夜をつづけ、ついに完成、納品した。


納品した残り物の無添加粉石けんを自宅で使用してみたら、森田社長のずっと悩んでいた湿疹が消えた。その間、わずか4〜5日。


合成洗剤の化学─白い泡の正体 」( 柳沢文正ほか著 ) を再読
ずっと前に買ったまま、「 触れたくない 」 思いでそのままにしておいた本がなぜか気になりだし、再読、再々読。自社のドル箱である合成洗剤がいかに環境と人間に害毒かをあらためてつきつけられる。しかし、「 儲かっている事業をやめるわけにはいかない。社員への責任もある・・・ 」と煩悶。


どのような指標をあてはめてみても、合成洗剤が環境と人間に好ましくないことは明らか。しかし、「既に粉石けんは時代遅れ」な気がしたし、流通はハナにもかけてくれない。「そんなもの売らなくても、いま儲かっているんだからいいじゃないですか」と周りから言われる。


「一歩」を踏み出せない社長に、「最後のダメ出し」が来る。体調を崩し、入院。
これまで病気知らずだったのに、なぜか体調を崩し、入院する。
医者から「このまま働いたら、確実に死んじゃいますよ」と警告を受けた。

そして、「 どうせ一度しかない生命なら、自分が正しいと思うとおりに生きていこう。そうじゃないと、死に顔もあまりいい顔ではないだろう 」と決断、「 どんなに厳しくとも無添加の石けんだけの商売をしよう 」。

このあと、合成洗剤全盛の時代、逆風の販売、流通で苦労されるのですが、続きは本をお読みください。


引用文献: 「 環境浄化石けん 」 森田 光徳 著、サンマーク出版