正義の味方


このところCSRの専門家という人たちが跋扈している。SOX法ほどではないが、NPO系、SRI評価系、シンクタンク系、と参入者も幅広い。偽装事件にかかわるコンプライアンスやISO規格化などをネタに 「 では御社のCSRの現状を無料で評価してあげましょう 」 というアプローチをしてくる。そこで出された評価は、必ず最悪なのである。そして「 わたしたちにお任せてくだされば、見違えるように改善します 」というのが手なのだ。

そもそも批判ばかりしてくる人は、暗くて渋い顔をしてネガティブなことばかり言う。先ず顔が暗い、話が暗い、電話したときの声が暗い。暗くて冷静そうなほど、難しい顔をしているほど優秀だという変な思い込みがあるのか、こちらがニコニコしているとあからさまに不快そうな表情をする。
こんな人がいるだけで、せっかくうまくいきそうだったこともダメになる。「 あなたたちは大事なことを忘れてやいないか 」という爆弾を炸裂させ、せっかくの空気を台なしにしてしまうのだ。


この手の人たちは現状分析と称して、契約時間の9割3分くらいをそこに投入する。そしてGRIガイドラインとか、ISOだとかの海外で権威付けられた理屈でもって評価する。
なぜか。自分たちで評価する尺度を持っていないからだ。GRIガイドラインなんかで評価されても目もあてられない。そもそもできの悪い日本語訳版なんかでは何のことを言っているのやら、かいもく意味すら判らない。

ともあれ、できてるできていないのチェックリストが出来上がる。できてないところを全部やれば100点になるという訳だ。そのところをどうやるかというと、海外のベストプラクティスを持ち出して 「 このとおりやれば大丈夫 」 などと、のたまうのである。