一六タルト

柚子の芳香が匂う


口元に運ぶだけでスーッと匂う柚子の芳香。口にすると、ふわりと柔らかなカステラの舌ざわりにしっとりした湿りを含んだあんの甘さが続く。


「 タルト 」 は小豆あんをカステラで巻いた棹物菓子で藩政時代からの松山の銘菓。初代松山藩主松平定行公が長崎から伝えたといわれる。
代表的なブランドとなっている一六本舗松山市 )の一六タルトは、あんは皮むきあずきだけを使い、砂糖は最高級の白双糖、新鮮な風味を出すために生柚子を使い、生地は卵と砂糖、小麦粉だけ。保存料などの添加物は一切使わない。 特殊なミキサーで材料を混ぜ合わせ細かくきめを整えた後は、しっとり水分が残るように強火でさっと焼く。ふっくらを保つために焼き上がりにショックを 与えて、切り整えた生地に炊きたてのあんを塗りクルリと手巻きする。

ほのかな柚子風味の上品な味のあんと、柔らかなスポンジの絶妙なバランス、手ごろな価格とボリュームが一六タルトの人気の秘密。道後温泉を訪れる観光客のお土産としても有名。松山ではビジネスアイテムにもなっているとか…。