自分で言うのもなんですけど

私は「 コンサルタント 」に対してアレルギーがあります。フィーの安いコンサルタントは、安い分だけ仕事がお粗末で話になりませんが、莫大なフィーをとるコンサルタントがいい仕事をするとは限りません。ともかくも、なんでもかんでもコンサルタントを使うという今の風潮が私はあまり好きではありません。

私が会社に入ったばかりの頃、つまり若くて青かった頃ですが、プロジェクトの予算を組んでいるときにコンサルタント費用を計上したら、上司から「 コンサルタントばかり雇って、きみはいったい何をするの? 」「 こんな仕事も他人に頼まないとできないの? 」「 それじゃあ、給料泥棒じゃないの? 」などと皮肉られたことがあります。そのことが悔しくていまもアタマに残っており、ご用聞きが来ても「 間に合ってるよ 」と答えるのが習性になっています。


コンサルタントが便利なのはたしかです。でも、私たちもそれぞれの道では専門家であるはずでしょう。ですからほとんどの場合、「 間に合っていなければならない 」のではないかと私は思うのです。私ですらコンサルタントが言うだろうことはおおよそ見当がつくのです。

もちろん内部にいては見えない欠陥があるから、外部からの客観的な観察・評価が必要となるのではあります。とはいえ、そもそもコンサルタントはどこまで責任( アカウンタビリティ )をとるのか明確ではありません。はっきり言って、彼らはまず結果責任を負うことなどはなく、仕事を終えると( そしてお金をもらうと )すぐにいなくなってしまい、うまくいかなかった場合には二度と姿を見せないのです。


現在、日本中の会社がてんてこ舞いしているSOX法対応でも同じであります。実際にやるのは会社の人間であり、評価するのは監査法人コンサルタントは単なるアドバイザーであって、教科書どおりのことを言うだけで、うまくいくかどうか責任などこれっぽっちも取らないのであります。
そのような彼らに何でもかんでも任せるから、じぶんたちの知的体力が落ちてしまうのであります。
私は、コンサルタントとはスポーツのコーチみたいなものだと思うのです。指導されても、実行できる技術と体力がなければ、ゲームには結局は勝てません。それらの体力と技術は、コンサルタントがいればつくというものでもありません。はじめから自分たちで持っていなければいけないものなのであります。


コンサルタントをとっかえひっかえして改革を繰り返したにもかかわらず、会社が「 前よりよくなった 」と言われないのは、組織の側に指導を実行できる体力と技術が身についていないからだと思います。
それともうひとつ、社員の言うことは聞けないけれど( 自分より身分が下の者はバカに見えるようです )、社外のコンサルタントの言うことだと聞けるという経営者が多すぎます。こんな経営者のもとで働く人たちは悲しすぎます。