名物かまど

ほろっとした皮が香ばしく



瀬戸内海の浜辺はかつて製塩業が盛んであった。塩田と呼ばれる広大な敷地のなかに、凝縮した塩水を煮詰める“ かまど ”の煙が立ち上っていた。

香川県坂出市のかまど総本店の「 名物かまど 」は、その製塩に使われたかまどをモチーフにしている。
北海道産の手亡豆にたっぷりの卵黄を使った黄味あんを、上質な小麦粉と和三盆糖とで練り上げ薄いけれども堅めに焼き上げた皮で包んでいる。


口にするとほろりと崩れる香ばしい皮から和三盆独特のほのかな甘味が立ち上り、まろやかな黄味あんとまじりあう。