大学進学率に想ふ

2008年度のセンター試験が始まった。
少子化と二極化そして過剰な教育機関。子供の学力低下が叫ばれる今、方向を失った教育行政はどこへ向かうのだろうか?


学校基本調査速報にある「 卒業後の状況調査 」という文部科学省のレポートによると、2007年春の高校卒業者のうち大学等に進学した生徒は四年連続で過去最高を記録し58万7381人と51.2%となり初めて50%を超えた。

大学進学を志望しつつ入学できなかった生徒は約8万人。8人に1人の割合だ。少子化の流れの中、大学全入時代であるといわれているけれども、志望校へ入学するために浪人を選択することはなくならないだろう。

さて全国レベルで50%を超えた大学進学率だが、地域格差は広がっている。京都の63%を筆頭に東京は61.4%と大都市圏は高い。その反対に沖縄・南九州・北東北・北海道といった地方では40%未満という状況にあり、もっとも少ない沖縄県では実に3人に1人という割合に留まった。

ちなみに高卒の就職率は全体では最低だった03年(16.6% )以降、4年連続で上昇し18.5%となった。最高は佐賀県で32.8%。この割合は大学進学率38.6%とほぼ差がない状況である。

参考までに、中卒で社会にでた若者は4年連続0.7%で7776人。実に97.7%が高校に進学している。


■参考資料
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/04073001/index.htm
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/07073002/003/002.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/07073002/004/002.pdf
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/001/07073002/006.htm


親の年収により子供の教育への支出が変わるというデータがある。
国税庁の「民間給与実態調査」によると年間給与が1500万を超えた人は58万7千人。全体の1.3%じつに76人に1人の計算になる。反対に二極化を裏付けるように、年収300万以下のウェートが増えている。