管理は何も生まない


SOX法といい、コンプライアンスといい、会社では管理部門出身者が幅を利かせるようになってきている。
人にケチをつけるわけだから、管理する側の方が何となく偉く見える。この計画で大丈夫か、あいつは信用できるのか、リスクは最小化されているのか、この手順だと危ないのではないか云々。


そんなことはいくらでも言えるのです。いまやっていることにケチをつけるだけなら誰でもできる。では、あなたはどうしろというのですか。ケチをつけるだけが管理部門の仕事ではないでしょうと私は思うのです。
決まりきったことを決まりきった手順でやる分には管理が大事でしょう。でもそれでは会社に成長はない。新しいことに挑戦すれば未知数ゆえに失敗もある。管理部門はそれに対して文句を言うだけなのです。そして管理は新しいものを何も生み出しはしない。


役員会議などでは、そんなふうに管理部門の管理にケチをつける人はいませんから、どうしても管理部門が偉くなる。文句を言って管理することが実行力であるかのように間違って解釈されているわけです。管理タイプの人がどんどん偉くなっていく会社は、現場で働いている人の意欲がどんどん低下し、自発的な改善も悪とされ、新しいことはやらない、言われたことを言われたとおりだけにしかやらない、つまらない会社になっていくのです。