管理部門の肥大化


本社は会社の風土を代表する。悪い本社から、よい支店や工場が生まれることはない。


官僚主義がカビのようにはびこっている会社がある。本社官僚たちは権限を利用して、支店や工場に無用かつ不当な要求を繰り返す。膨大な資料を作らせる、呼びつける、難クセをつける。現場の実態を知らないから、頭だけで仕事を考え、不毛な要求をするのだ。


この本社官僚たちが納得するために、会議が重ねられ、稟議書というものに膨大な手間と時間が費やされる。この価値を生まない 「 手続き作法 」のほかに、承認を得るための社内接待が繰り返されて、「 ご本社様 」が支店や工場の上に君臨するというのが実態だ。
本社官僚はやがて支店や工場の主要ポストに転勤して、毒された文化持ち込み侵していく。手続き主義、形式主義、根回し、社内接待。文書が氾濫し、現場知らずの頭デッカチ、文書だけ上手な屁理屈野郎社員が生まれ、エリートとなっていく。


プロフィットセンターである現場は軽視され、価値を生まない管理部門が肥大化する。内向き文化の典型である。