効率化とは手抜きをすること


過度に失敗を恐れると、会社はたくさんの規則を作り、複雑な手続きを定めていく。チェック機能の強化と管理に力を注ぐ。そして本社は肥大化し、管理機能が膨れて、企画戦略機能は減衰していく。


SOX法の対応において、監査法人よりも社内監査のほうが厳しいところがある。間違いを恐れるあまり、日常チェックに過度の神経が使われ、新しい価値を生むための積極的な施策に手をつけにくくなる。
本社の管理オタク族には事業の将来性を評価する能力などはないから、もっぱら目に見える部分、つまり過去のデータが対象になる。意味がないとは言わないが、価値を生み出している仕事ではない。


効率化とは、価値を生まない仕事をどのくらい捨てることができるかである。実収率100%を目指すのか、95%でとりあえずよしとするのか、どちらに経済性があるのかという議論に似ている。要は、5%のミスやロスが重大か否かという判断である。


ビジネスはどのくらいシンプルにして、手抜きをするかが重要である。そうすることで、会社に蔓延する官僚的な手続きを大幅に削減し、仕事の質が上がってくるのだ。