批判を受け入れる


立場や文化背景の相違に関係なく、成功した人のほとんどは他人の批判に耳を傾けることのできる人である。これには理由がある。それは成功の直接原因は常に客観的なものだからだ。成功するためには努力も大事だが、自分の希望的観測に沿ってがむしゃらに頑張っても成功はそれに応える義務はないからである。


小さい頃には「 人の批判を素直に受け入れなさい 」と教えられる。大人になっても同じことを勧められる。しかし、なかなか素直には受け入れられないものだ。特に批判する人の中には「 俺の話を聞け 」としか言っていないような人もいるため、反発してしまう。


批判を受け入れない人の多くは逆に、批判することが大好きである。昇進が遅れると会社を批判し、投資に失敗するとマーケットを批判し、人生に不満があると社会を批判する。悪いのは自分以外みんな、なのである。
自分を常に正当化しておきながら他人を批判すると人生は歪なものになる。批判精神は大切だが、それ以上に「 批判される精神 」を持ち合わせていることが重要だ。


人の批判ばかりを気にしていると自分を見失う、と恐れる人がいるが、そのような人は批判を受けなくても自分を失う。自分を持ちながらも新たな自分に到達するには他人の批判を糧に実践を重ねるしかない。受け入れることは自分の中で消化することであり、他人に従うことではないのだ。
そして他人の批判が当たっていない時には、自分の判断もよく間違うことがあるさと思えば、さほど感情的にならなくてもすむ。