「不都合な真実」の真実


不都合な真実 」とは、元アメリカ副大統領アル・ゴアの、環境問題を扱ったドキュメンタリー「 不都合な真実 」のことである。



不都合な真実」で示されていることは次の通りだ。

  1. 地球温暖化は、環境破壊をもたらすが決定的なものではない。氷が溶けて海水面が上昇することは無い。
  2. 温暖化で、被害が発生するのは、グリーンランドと南極の棚氷が崩れて「氷のまま」海に落ちると、メキシコ暖流が止まり、ヨーロッパ全域が寒帯になってしまう事である。そして、これによる被害を受けるのはヨーロッパとアメリカである。

つまり、急激な気候変動は起きるが、世界的なものではないとしている。また、地球温暖化の原因は、人間の出す二酸化炭素と言われているが、その排出量の30%はアメリカで、28%はヨーロッパであり、全世界の58%を占めている。要するに、地球温暖化の原因を作っているのも、それによる被害をこうむるのも、アメリカやヨーロッパであって、これこそが「不都合な真実」の真実なのであり、本来は「欧米人に不都合な真実」が正しいタイトルなのである。


これに対し、日本は世界に誇れる環境大国である。
実際に、日本が排出している二酸化炭素量は、全世界の3.7%であり、確実に言える事は、日本は地球温暖化という環境問題とは関係ないということだ。日本は、1970年代に起きた石油危機を受け、国と産業界は大変な苦労をして基盤整備や社会インフレの省エネを進め、ほぼ1986年頃には、消費エネルギーあたりの二酸化炭素排出量を激減させたのである。
環境省は、京都議定書で「日本は、環境大国であり、先進国として二酸化炭素量を十分に減らしており、我々には関係ない。出来ることは日本の技術を提供することであり、これにより、京都議定書に示された目標の10倍の効果をもたらすことが出来る」、と何故言えなかったのか。日本は世界に先駆け、自動車・家電製品・工場排煙においてクリーン化がなされており、節約・省エネ・エネルギー効率の技術を確立しているのである。


「日本を見習え」、これがゴアの主張でもある。

京都議定書では、環境省の間抜けで、無能な実態により、日本にとてつもない不利益をこうむる失敗を犯している。故意といっても良いかもしれない。


世界最大の排出国であるアメリカやオーストラリアは批准せず、カナダはギブアップと言って逃げた。EUは、自分たちが省エネを始めた以前の1990年を基準年とする狡猾な提案を押し通した。これにより、EUは削減目標を楽に達成できるばかりか、EU全体としては「排出権取引」で利益を得ることになるのである。批准国ロシアは、温暖化により厳しい国土が、温暖な土地に変わるという利点の他、「排出権」を売る事で莫大な利益を生むのである。


これに対し、日本は、する必要も無く、実現不可能な6%の削減義務を負うことを了承した。これは、ロシア等から「排出権」を購入することを意味し、およそ2兆円の税金を無駄にすることになる。その他、温暖化対策費として、2006、2007年度ともに1兆円を無駄にし、2008年度に至っては1兆4000億円である。これでは日本が世界の食い物にされているだけではないか。経済大国日本の国力を落とすための陰謀に嵌められたといっても良いのかもしれない。


ゴアの言う、海水面が6mも上昇するという「でたらめ」は、国連の地球温暖化研究機関IPCCの予測では、60年間で6センチしか海面が上昇しないという報告がされていて、他の先進国では信用していないし、自国の国力を落としてまで温暖化対策を、本気でやろうという国はないのである。大体が、国益と関係ない、太平洋のちっぽけな島がどうなろうと知ったことではないのだ。
東洋の金持ちのアマちゃん国家日本を上手いこと利用して、自分たちの宗教的な充実感を得られれば、それで良しなのである。



元々、存在価値の希薄な環境省は、自らの仕事を作り出すためだけに、環境問題の嘘を言い続けてきた。環境ホルモンダイオキシンしかりである。これらは何処へ行っちまったのであろうか。環境白書では、20年にわたりIPCCの報告書を、逆の意味に誤訳し続けるという、信じられない荒業も使ってきた。
また、御用マスコミを繰って、「地球が温暖化して、異常気象が頻発する、砂漠化や旱魃が頻発し、極地の氷が溶けて海水面が上昇する、これにより太平洋の島や多くの都市が水没してしまう。これらは人間の排出する二酸化炭素が原因である」と報道させてきた。サヨクと噂される、著名なニュースキャスターまで「このままでは人類最悪の被害がやってくる」とまで発言したのである。



一方、これらに異議を唱える学者は異端児扱いされ、その意見は無視されてきたのである。
ゴミ問題、ペットポトルのリサイクルしかりである。この裏には、お約束の官・政・業の思惑や利権が潜んでいる。しわ寄せは全て国民に多大な負担を強いる事になり、税金を食い物にしているのである。そして、環境行政でやっていること全てが、石油消費を増大させているという矛盾を生んでいる。これが日本の環境行政であり、こんな環境省は害以外の何者でもない。
あれだけ金をかけて宣伝した、「クールビズウエア」着ている奴が居たら、教えてもらいたい。 


(参考文献 暴走する「地球温暖化」論 武田邦彦ほか 文藝春秋社)



転載:
わたなべりやうじらうのメイル・マガジン「頂門の一針 1204号 」2008・06・01(日)配信