有害企業リスト100

企業が排出する有害物質の総量に注目しランク付けをした「 Toxic 100 Index 」マサチューセッツ大学の研究チームにより発表されている。
2008年版では、米国で活動する海外企業が新たに含まれている。日本企業も4社がランクインしている。1位:デュポン、2位:日産自動車、3位:Archer Daniels Midland (ADM)、4位:バイヤー、5位:ダウ・ケミカル。日本企業では他に、松下電器産業(22位)、ソニー(78位)、コマツ(90位)となっている。


「 Toxic 100 Index 」は、工場周辺住民が健康被害の可能性を「 知る権利 」や、株主や企業の管理職が将来直面する資金的リスクを「 知る権利 」への理解を広めることを目的としている。1986年、インドのボパールでユニオン・カーバイド社が引き起こした化学工場の大爆発により1万5000人が死亡、10万人が負傷したと伝えられた。この史上に残る大惨事を反映し、米国では「 環境への危険要素に関する情報を知る権利 」が成文化された。


米国マサチューセッツ大学の政治経済研究所( Political Economy Research Institute : PERI )の研究チームが米環境保護局 ( EPA ) が提供する企業の製造工場が排出する有害物質の総量を収集したデータ( Toxics Release Inventory : TRI ) に、周辺地域住民に与える健康被害への影響を重み付けする「リスク・スクリーニング環境指標 ( RSEI ) 」をあてはめて算出したものが 「 Toxic 100 Index 」である。株主が企業評価の際に責任の所在を明確にできるよう、子会社が報告する化学物質名と親会社のそれとは異なる場合、親会社との整合を試みるなどの配慮もしている。
産業により扱う物質が異なること、企業規模により扱う有害物質の量も左右される点が考慮されていないことなど、賛否様々な議論があるが、ランク付けに使用されたデータ( 社名リスト、所在地、排出した化学物質、各社のスコアなど )はすべて「 Toxic 100 Index 」のウェブサイトで閲覧できる。さらに、調査のもととなったEPAが提供する7,000社のデータベースへのアクセスも可能である。