淡々と流れる 「 この仕事が好き 」という想い


効率化、経費削減で金儲けを優先して安全をないがしろにした結果、最悪の事故を起こした鉄道会社。その廃線となった鉄道は地域のライフラインであった。接客業に軸足を移し、地域に支えられて第三セクターとして鮮やかな再生を遂げた福井えちぜん鉄道
お金はない、設備もない、駅舎は古い、無人駅ばかりというローカル線に付き物の「 欠点 」ばかり。でも、お金がないからできないではなく、お金がないからこそできるサービスがある。
小さな電車の大きなホスピタリティ、おじいちゃん、おばあちゃん、子どもたちのために、遠くから来てくれる旅行者のためにと、試行錯誤しながらのサービスが始まった。


「 乗せてやる 」ではなく、「 お乗りいただく 」そのサービスを支えてきたアテンダントと裏方さんたちのやってきたことが淡々と綴られる。気負うでもなく、講釈するでもなく、ただ、仕事が好きだから、乗っている人たちのお役に立ちたいからと。


この本を読み終えると、きっと 「 福井えちぜん鉄道 」に乗りたくてたまらなくなりますよ。



引用文献: 「 ローカル線ガールズ 」 嶋田郁美 著、メディアファクトリー