製造業の原点

経常利益率35%超を37年間継続。1日に500件以上もの注文に即日対応、そのうち8割が即日納品。あとの2割も即納できるのだが、明日の仕事がなくなるからと自信満々に言う。こんな経営で上場したのが町工場であったエーワン精密である。旋盤治具であるコレットチャックの製造では国内シェア6割を占めている。

トップがとれないものはやらない
モノづくりに余計な管理は不要
損をするような仕事はしなければいい
稼働率には三割の余裕をもたせる
好況時の利益には、不況のときの「しのぎ代」も織り込んでおく
仕事の責任は会社がとる、ひとりの責任は社員全員でとる


製造業の基本、それは、高品質、短納期、適正価格の三つ。そして、この三つを愚直に実践してきた結果が、町工場ではじめての上場であり、37年連続、売上高経常利益率35%超なのです。

大切なのは、「 これは自分の会社なのだ 」という意識を、社員一人ひとりがもっているということです。そして、会社に、社員を大事にするという気持ちがなければ、社員は絶対にそういう気持ちにはなりません。大事にするのは簡単です。社員を信用し、隠しごとをせず、利益が出たら誰もが納得する形で社員に還元する。


どうして納期がこれほど早いのかというと、最大の理由は、作業に取り掛かるまでの時間にあります。当社はとにかく、注文から作業までの時間が早い。注文伝票をファックスで送るというスタイルは、その注文伝票を、現場でそのまま作業指示書として使える。これが実に便利なのです。


減価償却費はきちんと計上し、そのうえで利益が出たら、気持よく税金を払うべきです。
世襲というのは、どこかで必ず行き詰まります。
何をやれば成功するかや、儲かるビジネスモデルなどを考える前に、自分という人間の土台を鍛え、社長が務まるだけの器をまずはつくるのです。

奇策に頼らず、あくまでビジネスの王道を行くことがどれほどすごい成果を生むのか実感させてくれる。



引用文献: 「 町工場強さの理由 」 梅原勝彦 著、日本実業出版社