とこなつ
白小豆のあん
白あんを求肥でくるみ、和三盆糖を雪にみたてて振りかけている。和三盆は純白ではなく黄みを帯びている。それが、この菓子の温かみ、趣になっている。特にあんにはこだわりがある。普通白あんにはいんげん豆が使われるが、”とこなつ ”には貴重な白小豆が使われている。そのため長期契約で買い付けをしているそうだ。
大野屋は天保9年(1838年)の創業。”とこなつ ”の菓名は、越中国司大伴家持が立山を読んだ歌
「 立山に降りおける雪をとこなつに 見れども飽かず神からならし 」に因む。
一年中消えることのない山頂の雪のように、いつまでも変わらぬ味を守りながら、愛される菓子を、という思いが込められている。
和三盆糖がすっと溶けた後、白小豆のしっかりとした食感の上品な風味が広がる。