きぬた

伝統



長久堂の 「 きぬた 」は反物を象ったお菓子。芯の部分に紅羊羹を用い、白い絹に見立てた求肥を巻き、和三盆をまぶしている。白い求肥の部分がつやつやと柔らかく、いかにも絹といった風情がある。
少し固めの羽二重のような求肥とコシのある紅羊羹の組みあわせが独特の歯触りを生みだしている。


昭和17年12月に京都府が指定した「 和生菓子特殊銘柄品 」の18品目のひとつである。第二次世界大戦のさなか、物資がなくなり和菓子屋の仕事ができなくなるという状況の下、 京の伝統菓子を残そうという趣旨で指定された。 明治初年にはパリ万国博に出展されて金賞を受けたという歴史もある。