越乃雪

お正月の淡雪



お正月のお菓子は長岡大和屋の「 越乃雪」。越後産のもち米を加工した寒ざらし粉と四国阿波の和三盆糖を配合し、木枠に入れて押し固め、さいころ状に切り分けて箱詰めした落雁である。ふうわりとした雪のように、舌の上です〜っと消えるように溶け、和三盆糖の上品な香気が心地よくのどの奥へと流れていく。
安永七年の創業以来作り続けられている看板菓子である。長岡藩九代藩主牧野忠精公が病に伏したとき、当時金物屋だった大和屋の先祖が創製して献上し、藩主がたいへんお気に入り病も癒えたという。このことから大和屋は御用菓子司となり、佐久間象山高杉晋作河井継之助山本五十六など多くの人に賞賛されたとのこと。


越乃雪は、金沢森八の 「 長生殿 」、島根風流堂の「 山川 」とともに日本三大銘菓といわれている。これらはいずれも落雁の干菓子。江戸時代の流通では生菓子は全国に届けることができなかったためだが、さすがの銘菓である。