日の出前

しののめづくり



「 日の出前 」 は、日本一の庭園と横山大観のコレクションで知られる島根県安来市足立美術館のお茶席菓子になっている。陶芸家 河井寛次郎命名による三英堂の銘菓である。


小豆の皮を剥いてから炊いた皮剥きあんが原料。このあんを熱いうちに羊羹の型に薄く流し込むことを繰り返し、1本のお菓子に作り上げていく。この製法を “ 東雲づくり( しののめづくり )” と呼ぶ。何層にも重ねられた切り口が幾何学模様のような精緻さである。
原料は小豆と砂糖だけ。誤魔化しのきかないお菓子でもある。皮むきあんのうっとりするほどの滑らかさ、雑味のない澄んだ上品な甘さを堪能することができる。