清浄歓喜団( せいじょうかんきだん )

千年の伝承



清浄歓喜団はお菓子の名称である。見当もつかないけど。


もともとは歓喜天へのお供え菓子であり、天台宗真言宗の寺院では今でも供えられている。
米粉を練って薄くのばした皮で、白檀、肉桂、竜脳などの7種類の香料を混ぜたこしあんを巾着型に包み、ごま油でしっかりと揚げる。
カリッと揚がった皮はそのままでは噛めない程堅い。お菓子の底から指グッと押し上げて、崩してから食べる。堅い皮を噛むとほろりと砕け、あんに混ぜ込まれた香料の馥郁とした香りが漂う。きめの細かなあんは淡々ととろけ、繊細で上品な爽快さが口に残る。


作られるのは、1日と15日だけ。精進潔斎して臨む。蓮華の八葉の花弁に見立てた巾着の口を閉じるのは、代々店主の務め。京都は「 亀屋清永 」 千年の伝承菓子である。