老伴 ( おいのとも )

幸福と長寿の最中羊羹


三重県松阪の縁起菓子。一見最中のように見えるが、最中の皮の中には手忙餡の羊羹が流し込まれていてその表面は糖蜜で固められている。最中皮も中の羊羹もちょっぴり固めだが、口にするとサックリと割れた皮と羊羹とが舌触りよく溶け合う。最中の皮で羊羹の甘さが吸収されるのだろうか、まろやかで上品な趣がある。


最中の皮の表面には、中央に鴻、両側には「 延 年 」の文字が刻まれ、幸福と長寿を表している。もともとはお祝いの席で配られお菓子だそうだ。製造元の柳屋奉善は天正3年の創業。松阪に築城した蒲生氏郷に御用菓子司を命ぜられて始まったという。当初は「 古瓦 」 との名前で販売されていたものを、松阪発祥の豪商三井氏により白楽天の詩集の句から「 老伴 」と改名され今に至っているとのこと。


10年ほど前は直径30cmくらいのものがあったが、今は大きいものでも12cm、小さいもので5cmほどである。少し寂しい。