若草

茶事十二ケ月



松江にある彩雲堂の 「 若草 」は、不昧公( 7代目松江藩主:松平治郷 )の残した「 茶事十二ケ月 」の記録から、茶人や古老の話をもとに明治後期に復活させたお菓子。


奥出雲仁多産の良質なもち米と寒梅粉を材料とする。もち米を二日間水にさらしから石臼で挽き、砂糖を加えて練り上げ求肥にして、若草色の寒梅粉と砂糖とを全面にふわっとまぶす。煙ったような萌黄色に春の芽吹きを感じる。コシがあるが柔らかい求肥の舌触りに、シャキシャキとしたザラメの歯ざわりがとろけるように混じり合って、絶妙に美味しい。
寒梅粉の萌黄色は、季節の移ろいに合わせてわずかづつ変えているという。